大阪大学薬学部 医薬合成化学分野

新規有機反応および反応剤の開発とその応用

新規有機反応および反応剤、特にヘテロ原子(O, N, S, P等)の特性を利用する反応の開発を中心に研究している。

活性化学種反応中間体であるオキソニウムイオンやピリジニウム塩を高次利用することで、従来法では行えなかった様々な反応を開発している。

例えば、カルボニル基の保護基であるアセタールとケタールではケタールが早く脱保護されるのが化学の常識であったが、ピリジニウム塩中間体を利用することでケタールの存在下でアセタールを脱保護するという従来とは全く逆の選択性を示す反応を開発した。

本法は、現在でも世界で唯一のケタール存在下でのアセタール脱保護法である。

このように本テーマでは、従来法では行えない反応、または多工程を要する反応の簡略化、常識に挑戦する化学反応の開発等を目的に研究を行っている。